彼方からの手紙
先日の満月あたり、もういいかな、と思い、色々捨てようと思った。
そうしたら、つぎへ、というタイトルの日記に書いた、大切な手紙が、出てきた。
その人と会ってすぐの誕生日にプレゼントしてくれた直筆の絵の額縁を開けてみたら、裏に入っていた。
そこに入れたことをまったく覚えていなかった。
見つけたとき、一瞬息を呑んだ、けど、改めて読んでみて、あぁ、と思った。
それは、とても良い手紙だった。
それは、今の私にやっと届いたような手紙だった。
そこにあるものをやっと受け取れたような気がした。
だからこの手紙もいつか捨てるだろうけど、今はそのままにしておいた。
ただのその人がただの私にくれたものは、その手紙と絵の二つだけだった。
それ以外のもらったものはすべて燃えるゴミの袋に入れて、夜のうちにゴミ捨て場に出した。
朝見たらもう全部無くなっていた。
あれ?こんなに簡単なことなんだな、って拍子抜けした。
思ってたより、もう、いいみたい。