未来ちゃんノート

未来ちゃんへ話したいことや書きたい手紙などを取り留めなく綴るノート

ひか り

なんでいまこれを、書くんだろう、

そう思っていたときに、

友だちからのメールにより、

よりくっきりと思い出され浮かび上がってきた感情は、

「みじめさ」だった。

あぁ。

あのときの、あの、みじめな経験と、みじめな思いを、

未だに引きずるこの惨めさ無価値感を、

もう成仏させるときが来たんだな、

だから私はそれをこうして、

ものがたりに変えていくんだろう。

素材そのままではなくて、ちゃんと料理をして、美味しくして、提供するシェフのように。

私がそれを見せたいのは、他の誰でもない、私自身。

あのときの私へ。

でもそれらはすべて、過去ではなく未来へ向かっているんだよ。

すべての私を、連れていく。

 

あらわすことを怖いと思っていたけど、思えばあんなみじめさたち、そうそう無いことだ。

もう誰になんと言われても、「あれ」とか「あれ」よりひどいことはそうそうないだろうと思う。

みじめさ検定一級だよ、ほんと。

婚約者も友だちもお金も家も未来も一気に失うとか、そうそうないだろうし。

婚約者は有名な人だったから色々とキツかった。

その人と別れたら私の周りからたくさんの人がいなくなった。

そうなって初めて気付いた。

誰も私を好きじゃなかった。

誰も私の友だちじゃなかった。

ざまあみろとほくそ笑んだ人もきっといただろう。

影で憐れみながら笑っていた人もきっといただろう。

住んでた家もなくなった。

親はあんなお金持ち、勿体無い、慰謝料を貰えと騒いだ。

お金なんてどうだっていい!と激怒した。

私はあの人が無名でも貧乏でも好きだった。

悲しかった。

私の死にたいほどの気持ちに寄り添ってくれる人は誰一人いなかった。

でも、彼を自分を大切にしなかったのは誰よりも私だったんだと思う。

その私を私が罰っし、見捨てた。

あれから10年。

 

 

でも、「わたし」は私を決して見捨てなかった。

 

 

ありがとう。

だから、私は、とにかく、書いてみる。

私のために。

私に見せたいから。

私が見たいから。